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当事務所のサービスに関する考え方

事務所開設後、幸いにも主にさいたま市緑区や近隣にお住まいの方々からご相談いただくことが増えてきましたので、当事務所のサービスに関する基本的な考え方を簡単にご紹介したいと思います。

事件処理の仕方には弁護士の個性が表れます。相性の良し悪しもありますので、当事務所にご相談、ご依頼をなさるかどうかの1つの判断材料にしていただければと思います。

1.法的利益とは関係しない悩み事や感情への配慮を欠かさない

「受容性(共感、思いやり)」を強みと言えるように一番大事にしています。

2.解決策のご提案の仕方

ご相談者様、ご依頼者様の利益、紛争解決コストを常に考慮して解決策をご提案します。決して意見の押しつけをしません。

3.法的サービスの捉え方

基本的にサービス業と考えていますが、純然たるサービス業とは捉えていません。ケースによってはご相談者様やご依頼者様に不利益な情報や見通し、意見もお伝えすることがあります。

4.自己研鑽の継続を怠らない

ご依頼者様の正当な利益を確保する技術の獲得、保持が最低限の条件と心得ています。

5.ご依頼者様へ不利益を被らせない措置を保証する

経験がなければ率直にそのことをお伝えします。調査研究をしたり、他仕業の方の助けを借りるなどして、ご依頼者様に不利益を被らせない措置を必ず取ります。

当事務所の特徴

1.当事務所のコア・バリューは、あなたへの「共感、思いやり」です。

①あなたの気持ちを楽にします。

  • あなたの置かれた立場、問題に共感し、思いやりを持って「あなたの話」を聞いた上で問題解決に当たります。たとえ弁護士が仕事として扱うべき話でないとしても、あなたが聞いてもらいたい話をするのにかなりの時間がかかったとしても、効率よく相談を捌くことをしません。

②あなたが自分の問題を丁寧に扱われていると感じるようにします。

  • あなたの問題を唯一無二の問題として扱い、業務効率を重要視しません。顔の見える範囲でしか事件をお受けしません。すべての事件を弁護士が担当し、あなたと緊密にコミュニケーションを取ります。

③他の誰でもなく、あなたにとって最良のご提案をします。

  • 弁護士のサービスより良いサービスがある場合、当事務所より最適な事務所がある場合、裁判より交渉が最適である場合など、提案に際してはあなたの利益を考えて後者を勧めることに躊躇しません。あなたの利益になると判断すれば、あなたにとって気持ちの良くない話もします。

2.当事務所は、さいたま市緑区、東浦和駅周辺で唯一の法律事務所です

①東浦駅徒歩5分の立地、地域の方々にとってアクセスが容易です。

  • 事件処理に際しては、打ち合わせや現地調査など弁護士とのコミュニケーションを密に取ることになります。アクセスのし易さは、法律事務所選びの重要な要素です。

②地元地域のご相談者様、ご依頼者様から感謝のお言葉を頂いております。

  • 地元地域のご依頼者様から「話しを聞いてもらえて助かった」「事件が解決して気持ちが楽になった」とのお言葉を頂いております。

③地域の方々との協同を大事にします。

  • 地域の方々(公共施設、民間企業、他士業の先生、地元住民の方々)との協同を大事にして、地域社会に貢献できるよう努めます。

 

 

離婚をお考えの方へ

パートナーと離婚したいと考えている方、パートナーから離婚の申し出を受けている方は、一度、当事務所にご相談ください。弁護士であれば、調停や訴訟に発展した場合の見通しを踏まえた適切なアドバイスができます。

感情にまかせて大事な決断を急いではいけません。弁護士の活用をご検討ください。

1.当事務所の方針

離婚問題は夫婦二人の問題では済まない部分があります。

夫婦以外の人との「関係性」(特に子供との関係)も問題となります。離婚の原因を作った相手を痛い目に合わせたいと考えるのは自然な感情なのかもしれません。しかし、ケースにもよりますが、当事務所は上記のような関係性を考えるならば相手に対する復讐心のような感情だけに左右されるべきではないと考えています。

2.パートナーとの離婚を考えている方

「自分の考える離婚条件は認められるか」だけを気にされる方が多いように感じますが、考えるべきことは多岐に渡ります。弁護士があなたと一緒に順を追って最善の方法を考えていきます。

①あなたの頭の中を整理します。

離婚条件より先に検討すべきことがあります。

それは、「離婚の決意が確かなものか」「離婚の時期は本当に適切か」「離婚後の生活の見通しはきちんと立っているか(特に専業主婦の方)」ということです。

財産分与や親権、養育費の問題、慰謝料請求、年金分割など離婚に付随する様々な問題に囚われて、大切なことを見落とさないよう、弁護士が相談を受けながら、あなたの頭の中を整理します。

②離婚請求が法律上認められるか予測します。

あなたの離婚請求を裁判所が認める可能性があるかは重要なポイントです。離婚条件の交渉にも作用します。

「夫婦関係が破たん」したと言えるかどうかは、別居期間が客観的な物差しとして重要視されますが、様々な要素を総合して判断されます(別居の理由、別居に至る経緯、別居期間中の夫婦間交渉の有無や頻度などはケースによって様々です)。

もちろん判断が比較的容易なケースもありますが、微妙なケースもかなり存在します。離婚請求が認められるという思い込みは危険です。

③離婚の条件を詰めます。

財産分与や親権、養育費の問題など、離婚の条件を詰めます。

あなたの希望がベースになりますが、特に調停など裁判所の手続きを利用する場合には認められるべき妥当な幅というものがあります。ここから外れた独り善がりな条件に固執することでかえってあなたが不利益を被る可能性があります。様々な選択肢を工夫して適切な離婚条件を設定します。

④任意の交渉から離婚調停、訴訟へ。

任意の交渉が功を奏しない多くの場合、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に「離婚調停」の申立をすることになります。弁護士が代理人に就く場合には、あなたの主張を調停委員にわかりやすく伝えて、あなたの希望が通るように調停委員を通して相手方を説得します。

もし調停が不成立となり、離婚請求が認められる可能性があると判断されれば、「離婚訴訟」を提起することになります。

このような手続きの流れからお分かりのように、当初から一貫した戦略を立てる必要があります。そのためには、弁護士に早い段階でご相談いただく必要があるのです。

3.パートナーから離婚の申し出を受けている方

①離婚を受け入れるか否か、②離婚を受け入れる場合、相手方の主張の適否を踏まえて離婚条件をどうするか、③離婚を受け入れたくない場合、相手方の離婚請求が裁判所で認められる可能性などあなたのお話を踏まえて検討します。

調停期日の前日やある程度調停が進行してから困って相談に見える方がいます。

弁護士が即座に対応できない場合もありますし、離婚条件の交渉はその内容だけで決まるものではありません。事前に「交渉の環境」を適切に設定できなければ、あなたの望む交渉は難しくなります。そうならないために、可能な限り早く、ご相談に見えてください。

4.パートナーから生活費をもらっていない方

離婚相談に見える方が見落としがちなのは、「婚姻費用の請求」(生活費の請求)です。別居していてパートナーから生活費をもらっていない場合には、一定の生活費の請求ができることがあります。

5.不倫相手に慰謝料請求をしたい方

不倫相手から何とか慰謝料を取りたいと考えるのは自然なことです。しかし、不貞慰謝料を取ることは、おそらくあなたが考えている以上に難しいものです。

パートナーと不倫相手が不倫をしたという証拠があるかどうか、不倫相手に資力があるかどうかによって、慰謝料請求の可否とその回収可能性は左右されます。また、不倫をした時には夫婦関係は破たんしていたと相手に反論された場合にその反論が成り立つ可能性はどの程度あるのか、再反論の余地はあるのかなど検討すべき課題は多くあるのが通常です。

弁護士が、慰謝料額の検討はもちろん、慰謝料請求が現実的に可能かどうか客観的に見極めます。そして、出来る限りあなたの請求が通るような工夫(主張の仕方や証拠の探索)をします。

 

弁護士を利用するメリット

日常的に弁護士と接する機会のない方の中には、ご自分の抱えている問題が弁護士に相談をすることで解決できるのか分からない、弁護士のほかにもたくさんの士業(司法書士、行政書士など)があって何処に相談に行けば良いのか分からないという方がおられると思います。

できることなら費用を掛けずにご自分で問題を解決したいと考えている方もいるかもしれません。

①ご自分の抱えている問題が弁護士の提供するサービスを利用することで解決できるのか、他の士業の先生に相談した方が良いのか?

②ご自分で問題解決を試みることと弁護士に相談・依頼をして問題解決することの差は何なのか?

弁護士に相談をしようか迷っている方は、下記をご参考にして頂ければと思います。

 

1.弁護士と他士業との違い

弁護士の取り扱う業務の特徴は極めて大雑把に言うと以下のようになります。

  1. 裁判所を利用する手続、訴訟業務を専門領域としています。

  2. 利益闘争が起きた場面で、あなたを代理して交渉や法律的な主張立証を行います。

弁護士はあなたを代理してあなたの代わりに交渉や裁判所の手続きを進めることができるというのがポイントです。

実際には弁護士に相談をすれば良いか、他士業の先生に相談をすれば良いか、やはりご自分では判断がつかないという方もおられるでしょう。

弊所は、ご相談を受けた案件が他士業の先生に相談をした方が良いと思われる案件については、「信頼できる」他士業の先生をご紹介できます。

 

2.独力での事件処理と弁護士に依頼した場合の違い

弁護士費用を支出するという経済的コストを回避できる点では、ご自分で事件処理を進めた方が有利です。主張したいある事実を直接に認識・経験して記憶に残しているのは依頼者ご本人ですから、ある程度の思考力とそれを表現する文章力がある方であれば、弁護士に証拠を示して事情を説明し、自分の主張や立証を代理してもらうより手っ取り早く、さらには優れた結果をもたらす可能性もあるかもしれません。

弁護士に依頼をした方が有利な点は何処にあるのでしょうか? いくつか弁護士に依頼した方が有利になるであろう点を挙げてみます。

  1. 裁判官や弁護士が共通して体得している「独特の思考様式」が存在します。書面の書き方、法廷での振る舞い方、和解交渉は、この思考様式を知らないとまず十分な対応ができません。「1回的」に生じた紛争に対応しようと一般の方がインターネットで色々と知識を仕入れたとしても、「何度も」「類似の思考を辿った経験」のある弁護士の方が上手く事件を処理できる確率は高いでしょう。

  2. 弁護士は、法律実務に基づく客観的な視点から徹底的に事件を分析します。依頼者の視点から距離を置いて「多角的」に事件を分析することによって、初めて依頼者の主張や証拠がどのように第三者の心に映るかを想像できると知っているからです。独力で事件処理を進める場合、ご自分の心から距離を取ること自体が極めて困難となります。独力で事件処理をしようとすると、却ってあなたが確信している真実のストーリーを訴えることに失敗する確率は高くなります。

  3. 弁護士に依頼をすれば、事件処理にかかるあなたの労力、時間的コストは大幅に省くことができます。書類の作成提出はもちろん、証拠関係の検討、相手方との連絡、裁判所とのやり取りなどを弁護士が代理して行います。特に「時間の価値」を理解して重要視する方であれば、弁護士へ依頼して事件処理を進めることは意味のあることになります。

  4. 弁護士と一般の方では、リサーチ作業の仕方や精度が違います。弁護士は、実務書、専門書、判例の検索、あるいは他の法曹や士業との検討など考え得る準備作業を徹底的に行います。必要な情報を知らないということ自体が、結果に重大な影響を及ぼすおそれがあると知っているからです。

  5. 弁護士に依頼をした場合、弁護士はあなたの精神的な支えとなります。この点にも価値を見出すことができます。1人で慣れない手続きを行うのは強い不安を覚えるはずです。弁護士に依頼した場合には、その不安を取り除くことができます。

  6. 経験上、裁判官あるいは相手方が依頼した弁護士がどのように思考して行動する傾向があるかをよく把握しているのも一般の方よりもこの業界に身を置く弁護士です。

色々と挙げてみましたが、依頼者によって弁護士のサービスの何処にどのような価値を見出すかは異なることと思います。同じ依頼者の方でも時間軸によって何に価値を見出すかは変化するかもしれません。弊所はこの点も重要なことだと考えいています。

弁護士のサービスが本当にご自分にとって「役に立つと思えるか」、弁護士に依頼した場合の金銭負担がご自分が受けようとするサービスの対価として「納得できるか」、良く考えた上で、ご自分で事件処理を進めるか弁護士に依頼なさるかご検討を頂ければと弊所は考えています。

 

3.弁護士が行う戦略立案や助言の特徴

弁護士は、依頼を受けた事件について依頼者の正当な利益のために最善の努力を尽くす義務を負いますが、結果を請け負うことはできません。しかし、結果を予測することは重要です。弁護士は、この予測に基づいて事件処理を進めていくのですから。

誰でも現在のある事象から将来の結果を予測するという思考(あるいは結果から原因へと遡る思考)を頭の中でしていると思います。事件を処理する時にも誰もが結果を予測するはずです。

では、弁護士のする予測と弁護士以外の方のする予測とは何か違うのでしょうか? もし弁護士がする予測とそれ以外の方がする予測に違いがあり、その違いがご相談者やご依頼者にとって役に立つものであるならば、弁護士に相談や依頼をすることはその分だけ意味のあることと言えます。

弊所は以下のように考えています。

  1. 弁護士は、訴訟や審判結果の見通しを踏まえた交渉戦略、訴訟戦略の立案を行うことができます。戦略立案には、合意ができない場合(判決や審判になる場合)の結果、選択肢としてどのような可能性があるか、事件に対する見通し(予測)の精度が決定的に重要になります。その見通しの精度が多くの事件処理を経験する弁護士と弁護士でない方とでは違います。見通しを最も適切に立てられるのは訴訟業務を専門とする弁護士です。

  2. 同様に契約書の作成業務などにおいても法的リスクを踏まえた適切な助言を行うことができます。

将来の結果を完璧に予測して支配することは誰にもできません。

しかし、弁護士を利用するのに適した場面では、弁護士のする予測に基づく戦略や助言に乗ることが、ご相談者やご依頼者の望む結果を導く「可能性を高める」有効な方法と言えるのではないでしょうか。

弁護士選びのポイント

弁護士の選び方が分からないという方へ、特に訴訟案件の依頼にあたって弁護士の立場から見て留意すると良いと思うポイントを簡単にご紹介します。なお、あくまで当事務所の弁護士が考える主観的な意見であることにはご留意ください。

1.依頼を検討する案件の性質によるスクリーニング

医療過誤訴訟や知的財産権訴訟などの法律学以外の学術的知識の理解を要する専門訴訟か否かという点で、第一のスクリーニングをかけます。専門訴訟については実績のある弁護士に依頼すべきです。当事務所では現在のところ単独では専門訴訟を扱っていませんので、専門訴訟と言われる案件以外の一般的事件(個人の方が抱える紛争のほとんどはここに分類されます)の弁護士選びの基準についてお話します。

2.弁護士と話しをしやすいかどうか

裁判になった場合、裁判所にルーティーンケースとして扱われる多くの事件は事実関係の主張立証がうまくできるか否かが勝敗を分けます。最も避けなくてはいけないのは重要な事実関係や証拠を見落として法廷に顕出できないことです。弁護士とのコミュニケーションがうまくいかないと事情の聴き取りが不十分となり、致命的な結果を招くおそれがあります。話しをしやすいかどうかという視点は重要なポイントです。

3.弁護士の話しが分かりやすいかどうか

弁護士は、依頼者の代理人として裁判所を説得するために様々な書類を提出し、裁判官とコミュニケーションを取ります。裁判上のルールや諸々の制約を意識した事実関係の取捨選択、事実の組み合わせ、証拠をもとに依頼者の主張する事実が何故正しいと言えるのかという説明のつながりなどに意を用いて、依頼者の主張するストーリーを合理的に紡いで一貫して裁判所に示さなければなりません。依頼者から見て、そのような能力に一定程度の信頼が置けるかという点は是非ともチェックしておきたいところです。

4.事件の見通しについて説明をしてくれるかどうか

事件の見通しを立てる能力が、弁護士の力量を示すコアの能力であると考えています。事件の見通しが適切な判断をするための起点となるからです。もっとも、訴訟の進行に応じて暫定的に立てた事件の見通しを修正していく柔軟さも大切です。この能力は多数の事件を処理していく中で磨かれていくものです。その意味では、若手の弁護士より経験豊富な弁護士の方が優位であることは否めません。当事務所では、過去の類似するケースに多く当たることでできる限り誤差のない見通しを立てる、あるいは経験豊富な弁護士と共同することで経験値の差を埋めるという方法を取ります。

5.分からないことを分からないと言うかどうか

弁護士が事前に事件処理に必要な「知識」を全て完璧に備えていることはほぼあり得ません。特に法律知識以外の業界慣行などは一般的には知らないことの方が多いと考えて間違いありません。問題は知識が足りていないということを確実に認識して、その穴を埋める方策を取れるかという点にあります。その意味で、知ったかぶりをしないという点は大事です。

6.関係者に敬意を払える人柄か否か

既に係争状態となっているところへ、弁護士が関与していって紛争を大きくすることほど馬鹿馬鹿しいことはありません。また裁判所を利用する紛争解決システムは、場面にもよりますが、裁判官はもちろん多数の関係者との協働によって健全に働くという側面があります。裁判官が発するシグナルを読み取るにも、手続に不備がないようにするにも、敬意をもって相手に接することのできる人柄でなければ困難をきたします。当たり前のことのようですが、様々な弁護士がいますから存外大事なポイントです。

 

労働問題を抱えている方へ

当事務所では、労働問題についても幅広く取り扱っており、労使双方の立場で代理をお引き受けしております。

1.弁護士の利用が必須の分野

労働問題について裁判所の手続きに乗せる場合には、弁護士を代理に立てることがほぼ必須となります。手続選択の難しさ、主張立証の難しさなどに適切に対応できるのが弁護士以外にはないと思われるからです。弁護士を代理に立てるのがコストに見合わない場合には、裁判外の紛争解決手段を模索するのが賢明です。

2.弁護士の利用を勧める理由

弁護士の利用を勧める理由は、下記のような労働事件処理の難しさにあります。

(1)手続選択の難しさ

当該ケースで予想される争点の多少、複雑性、調停含みの解決指針が取れるかなどを考慮して、労働審判を選択するのが相当な事案であるのか否かを見極める必要があります。この見極めができるということは、当該ケースの見通しがスタートからゴールまで一直線に見えていることを意味しますから、このような方であれば弁護士に相談する必要性すらありません。しかし、そのような方は稀有でしょう。

(2)主張立証の難しさ

労働事件については、解雇などの労働者の地位にまつわるものが主な紛争類型として良く挙がります。

一般的な事柄ですから、理解が難しいところは少なく主張立証は比較的容易とお考えになるかもしれません。

しかし、解雇事案で問題になる「権利の濫用」(「解雇権濫用法理」というキーワードで良く紹介されています)といったいわゆる「規範的要件」の主張立証は、評価を基礎づける具体的事実を「的確」に主張立証しなければなりません。どのような事実を指摘すれば権利濫用の有無について自分に有利に判定してくれるか、あるいは各要素の重みや関係を理解して主張立証していくことは弁護士も難しさを感じるところです。自分の言いたいことを言い放ち、相手方を非難するだけでは全く役に立たないことを知っておく必要があります。

(3)厳しい時間的制約(労働審判の場合)

3回の期日内(実際上は、第1回期日までに)に全ての主張立証を尽くさなければなりません。第2回以降の期日は、主に第1回期日で示された当事者双方の主張立証の内容から労働審判官1名と労働審判委員2名が取った心証を基にした調停案の検討がなされる運用がされているからです。示された調停案は、事実上、労働審判委員会の判断そのものです。つまり、第1回期日で勝負は決まってしまうのです。

労働者側はまだ準備期間が比較的に取れますが、労働審判を起こされた使用者側は忙しなく準備を進めることを余儀なくされます。

3.早めのご相談を

ここに記載したのは、比較的簡単な解雇事案を前提にしたお話です。上記以外にも様々な手続きがあります。労働問題でお悩みの方は、弁護士に早めのご相談をお勧めします。使用者側では顧問弁護士に対応を依頼することが多いと思いますが、スポット的に当該案件のみのご相談もお受けします。

 

契約法務(契約書の作成)

弁護士業務に携わっていると「何のために取り交わしたのか分からない」「契約文言を見てもその意味が不明確で分からない」契約書を目にします(だからこそ争いになる訳ですが)。また、その意味を十分に理解した上で合意したのであれば良いのですが「交渉上のポジションからすればあり得ない不利な条件」で合意をしてしまっている例もあります。

個人、企業を問わず、契約書を取り交わしたとしても不可避的に発生してしまうトラブルはあります。しかし、契約書の目的や機能を事前に検討をしないままに調印をしてしまうことで予期せぬ損害拡大を招いてしまう例が少なくないようです。

 

1.契約書作成の意味

契約上のトラブルで良く相談者から聞く言葉に「(契約書を交わしたのに)まさかこのような事態に陥るとは思わなかった」というものがあります。契約書を交わしたという事実だけで安心し、契約書を円満合意の証という程度に捉えている方が多いようです。結果として、その契約書がほとんど役に立たない、後の主張立証に困難を伴うという事態に陥ります。

契約書が真価を発揮するのは契約当事者の関係性が悪化した時、トラブルが発生した時です。契約書を取り交わすのであれば、単に「合意した内容を証拠として残す」というだけでなく、「裁判上でも通用する証拠として残す」ということが大切です。そうすれば、トラブルになった時に訴訟を見越した交渉ができます。仮に訴訟になったとしても確かな根拠を以て権利を主張しあるいは十分な防御ができるはずです。

2.契約書作成業務における弁護士利用のメリット

(1)契約条項作成上の問題点の整理

契約書の内容は、①どのような場合、②どのような権利や義務が契約当事者間に生じるのかを決めるということに尽きます。

しかし、前提としてどのような場合を想定しておけば良いのかというのは取引にあたってどのような法的問題が生じうるかという将来予測であって容易なことではありません。そのリスクを無視して良いか、対処すべきかの選択も同様です。

また、どのような権利や義務を生じると設定するか、合意内容からどのような権利や義務があると裁判上で判断される可能性があるかを理解するには、どうしても法令や判例上の扱いに照らした調査検討が必要になります。このような作業の適格を有するのが訴訟業務を専門とする弁護士です。交渉上のポジションを正しく分析するにも弁護士の法的助言は役に立つはずです。

(2)問題発生時の効果的な対処(損害拡大の防止)

契約書のドラフトを作成する段階から弁護士が関わっていれば、実際に問題が起きた際に連続的に対処ができます。

問題が生じた段階で初めて相談をされた場合、時間的余裕がない中で当該取引の内容や交渉過程を一から聞き取って理解していくことになりますが、これが依頼当事者にとっても弁護士にとっても大変な労力です。時間の経過によってどのような事実経過を辿ったかについての依頼当事者の記憶が曖昧ということも間々あります。しかもそのトラブルが企業の存続や個人の生活基盤(特に不動産の権利関係の場合)に関わる大問題であったりするから問題はよりいっそう深刻です。

契約書の作成段階から弁護士が関与していれば、事前の紛争予防だけでなく、損害拡大を防止する効果的な対処ができます。

3.相談のタイミング

契約書のドラフトを作成あるいは受領した段階、契約交渉中、契約書に調印する前に弁護士と契約条項の検討をすることが紛争予防に繋がります。是非、弁護士への相談をご検討ください。